遺伝カウンセリング外来( 専門外来 )

遺伝カウンセリングでは遺伝に関する心配事に関してどのように 対応するのが最良と思われるか
とりうる選択肢を一緒に考えます。
  出生前遺伝カウンセリング検査
  • はじめに
  • 羊水染色体検査
  • 母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)
  遺伝性腫瘍カウンセリング
  • 遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)・リンチ症候群
  • その他の遺伝カウンセリングに関しても内容に応じて対応致します

遺伝性腫瘍カウンセリング

遺伝性腫瘍カウンセリング外来のご案内
  • 国立病院機構 小倉医療センターでは  遺伝性腫瘍カウンセリング 外来を開設しています。
    遺伝性乳癌卵巣癌、リンチ症候群に対するカウンセリングや遺伝学的検査を実施しています。
    遺伝カウンセリング外来は、電話による完全予約制となっております。
  • 遺伝の病気についての不安や悩みをお持ちの方に対して、 遺伝に関する正確な情報を提供し、 相談者の方が適切な判断をしていただけるよう支援することを目的としています。
  • 遺伝子検査は、カウンセリングの結果、ご本人が希望された場合に行います。
    また、各診療科と連携して適切なサーベイランス(定期的な検診)や、 リスク低減卵管卵巣摘出手術 (RRSO)やリスク低減乳房切除術(RRM)についての相談も承っています。
遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)とは
  • 「乳癌」「卵巣癌」の中には、遺伝するものがあります。 なかでもよく知られているのが、 遺伝性乳癌・卵巣癌:HBOC * です。 HBOCの女性では、若くして乳癌になる、乳癌を多発する(対側乳癌・同側乳癌)、 乳癌だけでなく卵巣癌も発症する、 などが見られることがあります。 そのため、HBOCでは、一般的な乳癌や卵巣癌とは異なる医学的管理が推奨されています。
  • * HBOC: Hereditary Breast and/or Ovarian Cancer (遺伝性乳癌卵巣癌)の略です。
HBOCは どんな病気か?
  • HBOCは、BRCA1またはBRCA2遺伝子に生まれつきの変化(専門用語で病的バリアントといいます)があることで、 70歳までの乳癌の発症リスクが最大で84%、卵巣癌で62%まで高まり、 その他に前立腺がんや膵がんの発症リスクも高くなる遺伝性腫瘍の一つです。
  • 現在の日本人女性の乳癌の生涯罹患リスクがおよそ9%、 卵巣癌が1%程度であることを考えると、乳癌と卵巣癌の発症リスクはHBOCの型では高くなることがわかります。 HBOCは、乳癌全体の5%程度、卵巣癌の10~15%程度と考えられています。
HBOC遺伝カウンセリングの対象者
    HBOCの可能性があり、遺伝カウンセリングの対象となる方は以下の通りとなります。
  • BRCA1、BRCA2遺伝子の検査を受けて、陽性であることがわかっている方の血縁者
  • ご自身が乳癌と診断されていて、かつ以下のいずれかに該当する
    ・45歳以下で乳癌を発症された方
    ・両側の乳癌(同時性あるいは異時性)と診断された
    ・片方の乳房に複数回乳癌(原発性)を診断された
    ・46~50歳で乳癌と診断されていて、血縁者に乳癌または中等度以上の悪性度の前立腺がんと
     診断された方がいる(家族歴が不明な場合、血縁者の人数が少ない場合は考慮する)
    ・60歳以下で、トリプルネガティブの乳癌と診断された
    ・血縁者に卵巣癌、転移性の前立腺がん、膵臓がん、50歳以下の乳癌のいずれかの診断を
     受けた人が1人以上いる方
    ・血縁者に男性で乳癌と診断された方がいる
  • ご自身が男性で乳癌と診断された
  • ご自身が卵巣癌・卵管がん・腹膜がんと診断された
  • ご自身が膵臓がんと診断された
  • ご自身が転移性の前立腺がんと診断された
  • 血縁者の範囲:父母、兄弟姉妹、異母・異父の兄弟姉妹、子ども、おい・めい、父方あるいは母方のおじ・おば・祖父・祖母、
      大おじ・大おば、いとこ、孫など

HBOC診療の一部保険適応化に関して
    2020年4月よりHBOC診療の一部が保険診療で可能となり、当院でも対象の方については保険診療で実施しております。
    詳しくは以下をご確認の上、遺伝性腫瘍カウンセリング外来までお尋ねください。

    HBOCに関して保険診療の対象となる検査、治療は以下となります(2020年4月現在)

    ① BRCA1, BRCA2遺伝子の検査:
     以下のいずれかに当てはまる方はHBOCの原因遺伝子となるBRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子の検査が
     保険診療で施行できます
       ・45歳以下で乳癌を発症された方
       ・60歳以下でトリプルネガティブ乳癌を発症された方
       ・2個以上の乳癌を発症された方
       ・乳癌を発症し、かつ第三度近親者(曾祖父母、大おじ、大おば、いとこまでの血縁者)に
        乳癌または卵巣癌を発症された方が1名以上いる方
       ・男性乳癌
       ・卵巣癌、卵管がん、腹膜がんを発症された方
    ② リスク低減卵管卵巣摘出術:risk-reducing salpingo-oophorectomy(RRSO):
       乳癌にかかったことがある方でHBOCと診断された方
    ③ リスク低減乳房切除術:risk-reducing mastectomy(RRM):
      卵巣癌または乳癌にかかったことがある方でHBOCと診断された方。
    ④ サーベイランス(定期健診):
      乳癌または卵巣癌にかかったことがありHBOCと診断された方は年1回の乳房MRI検査が
      保険適応となります。

     乳癌にも卵巣癌にもかかったことがないHBOCの方に対するリスク低減手術、サーベイランスは
     現時点では保険適応となっておりません。
     ご希望される方には従来通り自由診療として提供しております。

     また、RRSOとRRMを同日に施行することも可能です。カウンセリング外来にてご相談ください。
遺伝性腫瘍カウンセリング外来担当医
川 上 浩 介 臨床遺伝専門医 / 産婦人科専門医・指導医
河 村 京 子 婦人科腫瘍専門医 / 遺伝性腫瘍専門医 / 産婦人科専門医・指導医
轟 木 秀 一 日本乳癌学会乳腺専門医 / 遺伝性腫瘍専門医 / 日本外科学会専門医・指導医
元 島 成 信 臨床遺伝専門医 / 遺伝性腫瘍専門医 / 産婦人科専門医・指導医
下 川 亜 矢 がん看護専門看護師 / 遺伝性腫瘍コーディネーター
  • 上記、遺伝カウンセリング担当医師の他、 必要に応じて、主治医、看護師、助産師、保健師、臨床心理士、ケースワーカー等が同席します。
外 来 診 療 日
外来診療日 毎週月・水・木曜日の午後に行います。
相 談 時 間 原則として1回1時間ですが、ご相談内容により異なります。
  • 相談日が、国民の祝日などに当たる場合は休診となります。
  • 当日のご相談は受け付けておりません。
遺伝性腫瘍カウンセリング外来の受診費用
自 費 診 療 遺伝性腫瘍カウンセリングは自費診療となっております。
初   診 8,800円(税込)
再   診 3,300円(税込)
遺伝子検査 カウンセリングの後、検査の御希望がある場合に施行します。
(自費)

ご 予 約 方 法

● 当センターに通院中の方 外来担当医に遺伝カウンセリング希望の旨をお伝えください。
● 他院に通院中の方 原則、通院中の医療機関から医療連携室を通してのご予約となりますが、 直接、地域連携室に電話でご予約いただくことも可能です。
予約枠が一杯の場合は、ご希望通り予約をお取りできない場合、 カウンセリング、検査をお断りさせていただく場合があります。 ご理解いただきますようお願い申し上げます。

御紹介頂く医療機関の方へ

お電話ください 医療連携室までお電話ください。
  電話 : 093-921-8881(代表)
(受付時間:月~金 祝祭日を除く 9時00分から16時30分)
前ページへ戻る
ページのトップへ戻る