センター概要

小児期から何らかのアレルギー疾患をもつ方は多く、今や日本の国民病の一つともいわれています。気管支喘息やアトピー性皮膚炎の罹患率は横ばいから減少傾向になった一方で、食物アレルギーやアレルギー性鼻炎は今も増加傾向が続いています。また複数のアレルギー疾患を同時にもっていることも多く、総合的にアレルギー診療ができる医療施設が1つでも多く必要とされています。そこで当院では2023年4月に小児アレルギーセンターを設立しました。

当センターには高いレベルの知識・技術を有する看護師・薬剤師・管理栄養士が多数在籍しており、環境整備、スキンケア、栄養食事指導、薬の正しい使い方の指導を行い、子ども一人一人に応じたきめ細やかなケアを行うことを目指しています。

センターの取り組み

アレルギー疾患の中でも、特にアトピー性皮膚炎と食物アレルギーは早期から適切な介入を開始することで寛解がめざせることがわかってきました。当センターにおいては乳児湿疹/アトピー性皮膚炎に対するスキンケア入院、食物アレルギーに対する栄養指導/食物経口負荷試験に力を入れています。「保湿してもなかなか湿疹が良くならない」「卵アレルギーを克服したい」お子さまがいらっしゃいましたらぜひ当センターにご相談ください。1歳未満の乳児のうちから寛解へ向けたお手伝いをいたします。

気管支喘息に対しては様々な吸入デバイスがありますが、年齢や発達に応じて適切な方法を紹介し、効率よく安定した長期管理が継続できるようサポートしていきます。

アレルギー性鼻炎に対しては舌下免疫療法(ダニ、スギ花粉)も実施しています。当院での導入も可能ですので、興味がある方はぜひご相談ください。

スキンケア入院

医師・看護師立会いの下、入浴指導・からだの洗い方・保湿剤の塗り方・軟膏の効果的な塗り方を実際に指導します。希望があれば管理栄養士による離乳食の進め方などの栄養相談や、栄養の偏りがないかなど栄養評価に関する介入も可能です。

最初は保湿剤や軟膏を塗る量の多さにびっくりされることでしょう。しかしたっぷり十分に塗ることによって速やかにお肌の調子がよくなっていくのを実感していただき、5日間の入院で全身の皮膚が「つるつる、きれい」な状態になることをめざします。

その後の外来でも具体的でわかりやすい指導を継続します。

食物経口負荷試験

医師・看護師立会いの下、小児科病棟で負荷試験を行います。現在毎週水曜日と木曜日にそれぞれ4名/日の定員で行っています。症状出現の際もすぐに治療ができる体制をとっています。

負荷試験で安全に食べられる量を評価した後には、小倉医療センターオリジナルの資料を用いて、管理栄養士による具体的な食事指導、代替加工品の紹介などの食事指導を行います。

スタッフ・部門紹介

栄養管理室

  • 当院オリジナル資料(鶏卵・牛乳・小麦)を用いて管理栄養士による栄養食事指導を行います。
  • 負荷試験入院において、安全に配慮したアレルギー食を提供します。

看護部

  • 負荷試験時のアナフィラキシー症状誘発時の観察・対応を指導します。
  • 入院中の吸入指導・軟膏塗布の指導を通して服薬アドヒアランスを向上させます。
  • 病棟内での定期的な勉強会を通してアレルギー疾患への知識の共有を行います。

薬剤部

  • 吸入ステロイドの吸入指導の手技確認を行います。
  • エピペンの手技確認を行います。
  • 薬剤の知識、注意点などをわかりやすく説明いたします。

認定・指定施設

一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギー専門医準教育研修施設