診療情報

初診受付 火 13:00~15:00 (完全予約制)
再診受付 火 9:00~11:00 金 13:00~15:00 (完全予約制)
診察日 火・金曜日
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診療概要

小児アレルギー外来では、食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、蕁麻疹、薬剤アレルギーなど様々なアレルギー疾患及び呼吸器疾患の診療を行っています。アレルギー疾患は互いに合併することも多く、患者さんひとりひとりに応じて、総合的にアレルギー疾患を診療しています。

対象となるお子さん

食物アレルギー(食物依存性運動誘発アナフィラキシー、花粉・食物アレルギー症候群、消化管アレルギーなど含む)、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アナフィラキシー、蕁麻疹、薬剤アレルギーなどの症状があるお子さんに対して、専門的治療を行います。

検査・治療

アレルギー検査の紹介

当外来では血液検査はもちろんのこと、当日すぐに結果がわかる皮膚プリックテストも行っています。プリックテストとは、皮膚にアレルゲンを付着させてそこを浅く針で刺し、じんましんが出るかどうかや、じんましんの大きさがどうかを判定してアレルギーの有無を確認する検査法です。原始的な検査法に見えますがなかなか有用な方法であり、まだ免疫グロブリンE(IgE抗体)が十分つくられていない乳児に対してもアレルギーの有無を判定できる大事な検査法です。検査にあたってはご家族に調べたいアレルゲンの実物(ほとんどは食材になります)をご持参いただいています。

血液検査ではアレルギー反応の根本となるIgE抗体を測定し、アレルギー体質の度合いや、どの食物・花粉・物質に対してアレルギーがあるかを調べるのが主となります。ほかにもアレルギー反応を起こす白血球である好酸球の数・割合や、アトピー性皮膚炎の重症度を示す伝達物質であるTARCの量などを調べることにより、総合的に患者さんひとりひとりのアレルギーの特徴を解析し、病態に応じた指導、治療方針の策定ができるよう努めています。

喘息の患者さんには肺機能検査を積極的に行っています。診察室にも測定機があり、息の上手な吹き方をアドバイスいたします。小学校に入る頃には上手にできるお子さんが多いです。必要に応じて中央検査室での精密な肺機能検査も行うことがあります。

各疾患ごとの詳細情報は、以下をクリックしてご覧ください。

食物アレルギー

食物アレルギーは、アレルゲンとなる食物を食べることによりアレルギー反応が起こり、蕁麻疹、口腔や咽頭の違和感、咳、喘鳴、呼吸困難、嘔吐などの症状を呈し、重症の場合にはアナフィラキシーショックまで起こすことのあるアレルギー疾患です。2010年代以降も有病率は増加傾向が続き、最も重要なアレルギー疾患の1つとなっています。2012年に東京都で起きた、学校給食での痛ましいアナフィラキシー事例を覚えていらっしゃる方も多いかと思います。

2000年代初め頃までは、食物アレルギーの管理の基本は原因となる食物抗原を除去しつづけ、成長とともに治るのを待つことでした。しかしながら、原因となる食物を適切な量で食べ続けることで腸管内において食物へのアレルギー反応を抑える免疫反応が起こることがわかってきました(経口免疫寛容といいます)。そのため、完全に食物を除去することをできるだけ避け、食べられる範囲で食べていく指導法へと変わってきました。現在はガイドラインでも食物アレルギー診療の基本は「必要最低限の食物除去」「症状誘発時の適切な対応」とされています。

「必要最低限の除去」を行うためには、症状が起こった時の摂取量の確認・推定とともに、食物経口負荷試験が必要となります。食物負荷試験とは、病院でアレルゲンとなる食物を実際に食べて症状が出現する量を見つける、あるいは症状が出現しないということを確認するための検査です。当院では、1歳未満の乳児から負荷試験を積極的に行い、管理栄養士と連携し「必要最低限の食物除去」をめざした栄養指導を行っています。

「症状誘発時の適切な対応」とは症状が誘発された場合に、速やかかつ適切に薬剤投与などで対応することを指しますが、特に全身に同時多発的に症状が発生するアナフィラキシーに対する対処が重要となります。

アナフィラキシーの既往がある方には、万一の再発症に備えてアドレナリン自己注射薬のエピペン?を導入しております。医師、看護師により注射を行うべき状態、具体的な注射の方法、注射後の対応について丁寧に指導いたします。

気管支喘息

気管支喘息は、アレルゲンの吸入(ホコリ、ダニ、カビなど)、冷気による刺激、気圧の変化、疲労などを契機として発作的に空気の通り道(おもに気管支)が狭くなることで、咳や息を吐くときにヒューヒュー、ゼーゼーという笛のなるような音(喘鳴)が出現し、呼吸が苦しくなる状態(発作、近年では急性増悪ともいいます)を繰り返す、急性疾患と慢性疾患の両方の性格を持つ疾患です。かつては発作が重症化し、不幸にして命を落とされる患者さんも多くいらっしゃいましたが、この数十年で治療方法が進歩し、そのような事例はかなり少なくなりました。しかし現在でも日本のお子さんの10%近くは喘息をお持ちといわれており、まだまだ軽視してはいけない重要な疾患です。

気管支喘息の治療の目標は、「症状がない状態を保ち、普通の生活を送れるようにすること」「肺の機能を正常に保つこと」です。喘息は発作が起きて肺の機能が一時的に下がっても、治療を行えば機能は元に戻ります。しかし何度も何度も症状を繰り返すと、肺や気管支にダメージが蓄積して硬くなっていき、治療をしても肺の機能が戻りにくくなり最終的には低下したままとなってしまいます(これをリモデリングといいます)。こうなってしまうと息切れしやすく、運動が十分できないなど生活の質を損ねるだけでなく、将来的な慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症の危険性を高めるともいわれています。

こうなるのを防ぐためにも、喘息においては普段からの治療(長期管理)が重要なのです。治療によって症状が落ち着いてもすぐには治療を終了せずに、定期的に受診して、呼吸機能検査などで喘息の状態を適切に評価しながら治療を継続することが将来の健康維持につながります。 当院では、血液検査や胸部・副鼻腔レントゲン写真、肺機能検査、運動負荷試験、気道の炎症や過敏性を調べる検査などを用いて患者さんそれぞれの重症度や症状コントロール状況を評価し、それに合わせた強度の長期管理薬を導入・調整していきます。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患のなかで、人生でもっとも早期に出現することが多い疾患です。すなわち0歳児(乳児)、早い方では生後1か月未満(新生児)の時期に発症することが多々あります。2024年現在の診断基準を簡単に申し上げますと、乳児では2か月以上、1歳以上では6か月以上かゆみの強い慢性湿疹が続くとアトピー性皮膚炎と診断されます。

軟膏を塗り保湿をして一旦治ったように見えても、治療をやめたり体調を崩したりした拍子にぶり返し、改善と悪化を繰り返すことが多い疾患です。よほどの最重症でない限り直接的に命にかかわるような症状はありませんが、かゆみのせいで眠れず常に機嫌が悪くこころの発達に悪影響となる、さらに学童・思春期からは様々な心理的コンプレックス形成の要因となりうるため、患者さんの生活の質を大きく損ねる重要な疾患です。治療の基本は、以下となります。

  1. 正しいスキンケアを行い、症状を予防する。
  2. 薬物療法によって症状を抑える。
  3. 症状の原因と悪化する誘因(食物、環境、ストレスなど)を探し、それを除去する。

当科では、外来診療を中心に皮膚に優しいスキンケア方法の指導、適切なステロイド治療、薬物治療を行ってまいります。症状が強くお困りの方にはスキンケア指導入院として4泊5日程度の期間小児科病棟に入院していただき、入院中に徹底してスキンケアや薬物治療を行って皮膚症状の劇的な改善を実感していただくこともできます。

また現在、効果の高い内服薬や注射薬も次々と登場しています。軟膏での治療だけでは十分に症状を抑えることのできない場合でも、これらの新しい治療法が有効であることが期待されます。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は小学校以降の比較的年長の児から出現するイメージが強いかと思いますが、幼児期からも発症しうるアレルギー疾患です。ハウスダスト=ほこり(主成分はダニといわれています)、動物の毛、スギ花粉、ヒノキ花粉などといったアレルゲンを吸引することにより鼻の粘膜でアレルギー症状が起こるもので、くしゃみ、鼻汁(鼻水)、鼻閉(鼻詰まり)が3大症状です。ダニや動物の毛などが原因で1年を通して症状が続くものを通年性アレルギー性鼻炎、花粉が原因で特定の季節だけに症状が起こるものを季節性アレルギー性鼻炎(≒花粉症)といい、両者が合併することもしばしばあります。

気管支喘息による呼吸不全や食物アレルギーによるアナフィラキシーショックのような命にかかわるような症状は鼻炎では起こりませんが、3大症状による生活の質への悪影響は大きく、決して軽視できる疾患ではありません。有病率もまだまだ増加傾向が続いており、とくに季節性アレルギー性鼻炎の増加が目立ちます。

治療方法としては抗ヒスタミン薬(いわゆる抗アレルギー薬)内服、喘息にも用いるロイコトリエン受容体拮抗薬内服、ステロイド点鼻薬などといった薬を症状に応じて組み合わせて使います。これらの治療薬は症状に対しての薬であり、いわゆる対症療法ですが、近年は根本的にアレルギー体質を収めてしまう免疫療法が注目されています。

ダニとスギ花粉に対しては舌下免疫療法薬があり、これは舌の下に錠剤を含んで内服し、それを毎日、数年間続けることで内服期間よりも長い期間にわたって鼻炎症状を抑えることが期待できるというセンセーショナルな治療法です。とくに治療初期などは口や舌のかゆみが出ることもあり少し根気が必要ですが、頑張った分大きな効果も期待できる治療法です。当院でも治療導入ができますので、少しでも興味がある方はぜひご相談ください。一緒に頑張ってみましょう。

診察場所

外来棟 2階 小児科1番診察室でおもに診療を行います。

診療体制

小児科医師2名体制で診療を行っています。

診療費

保険診療で行われます。

ご予約・ご相談

小児アレルギー外来は完全予約制です。必ずお電話で予約をしていただきますようお願いします。
お問い合わせ・予約・キャンセル・変更は以下の連絡先にお電話の上、電話交換手に小児科・予約担当へ取り次ぐようお伝えください。

連絡先

小倉医療センター(代表)

093-921-8881 (受付時間:平日 9:00~14:30 ※時間外・土日・祝日は受け付けておりません

受診時の注意事項

  • ご家族、ご親族のアレルギー疾患の病歴が重要となりますので、初診の際には詳細にお伺いいたします。あらかじめご了承ください。
  • 食物アレルギーの場合は食品・加工品の商品名などもお伝えいただけましたら診断に際して非常に役立ちます。
  • かかりつけの先生のところで行われたアレルギー検査の結果表がございましたらぜひご持参ください。

外来担当医表

小児アレルギー外来専門外来ページ

午前
安成 大輔
午後
安成 大輔
(初診のみ)
米良 智子

小児アレルギー外来は予約制です。ご予約は小児科外来へ14:30までにお電話ください。

開業医の先生方へ

食物アレルギーはいまだに増加傾向の続くアレルギー疾患ですが、「治療法」については21世紀に入り劇的なパラダイムシフトが起こり、即時型アレルギーに関しては「完全除去にして治るのを待つ」から「症状の出ない範囲で摂取して治していく」という、受動的な方法から能動的な方法へと変化してきました。

食物アレルギーが心配で離乳食が進まないお子様、アレルギー症状が心配で完全除去を継続しているお子様、除去食材が多くて進め方にお困りのお子様などがいらっしゃいましたらぜひ当院にご相談いただけましたら幸いです。経口負荷試験、管理栄養士による栄養指導などを通して、1日でも早い寛解をめざしてまいります。

また先述の「食べて治す」方法がいまだに確立されていない消化管アレルギーや、食物依存性運動誘発アナフィラキシーなど、特殊な病型の食物アレルギーにつきましてもお気軽にご相談ください。

気管支喘息

小児の気管支喘息は21世紀に入りついに減少傾向となりましたが、実は重症喘息自体は減少傾向には入っておらず、まだまだ軽視できる疾患とはいえません。コントロールでお困りの際にはご紹介ください。吸入ステロイド/長時間作用型β2刺激吸入薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬といった治療に加えて、かつて大活躍したテオフィリン製剤、新規の生物学的製剤、また思春期以降のお子様には成人喘息に準じた治療も駆使し寛解をめざしてまいります。

また当科ではお子様の年齢などに応じて、スペーサーを併用した定量噴霧吸入器での吸入や、ディスカスなどのドライパウダー吸入器での吸入についても積極的に指導を行っております。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は現在も有症率の明らかな低下がなく、お子様のQOLも大きく損ねる重要な疾患です。近年はステロイド軟膏だけでなく、免疫抑制薬や免疫調整薬の新規外用剤が次々と登場しています。また乳児期から生物学的製剤も使用可能となり、患者さんの大きな力となっています。

薬剤の選択だけでなく、普段のスキンケアの方法、その継続が寛解導入、寛解維持に重要となりますので医師、看護師をはじめとしたさまざまな医療スタッフによる包括的なケアで皮膚状態の改善をめざします。4泊5日のスキンケア指導入院も随時行っておりますので、湿疹やかゆみでお困りのお子様、ご家族にはぜひ当科をご紹介ください。

その他のアレルギー疾患

アレルギー性鼻炎や結膜炎、蕁麻疹、薬剤アレルギーなど、耳鼻科、眼科、皮膚科、内科などの先生方の領域と考えられる疾患であっても可能な限り対応させていただきます。小児のアレルギー疾患でお困りの際には、ぜひご紹介いただけましたら幸いです。

鼻炎については当院での舌下免疫療法導入も行っています。お子さんの発達、協力具合にはよりますが、5~6歳の年少児でも開始できる可能性がありますので、免疫療法に興味がある患者さんがいらっしゃいましたらぜひご相談ください。

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