診療情報
初診受付 | 月~金 8:30~11:00 |
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再診受付 | 月~金 8:30~11:00 |
初診予約 | かかりつけ医から地域医療連携室( TEL:093-921-8881 )にご連絡ください。 |
乳房にしこりを触れるなど自覚症状がある方、乳がん検診で精密検査を勧められた方は、ご自身でWEB予約が可能です。
診療科概要
乳がんは女性のがんの中では最も多く、年間約9万人が罹患します。実に生涯のうちに女性の9人に1人が乳がんになる確率です。ただ、早期に乳がんを発見できれば治癒する可能性が高いことも知られています。 乳がんに対する治療は局所制御するための外科療法と放射線療法だけでなく、がんの進行度や特性に応じた薬物療法(ホルモン療法、化学療法、分子標的治療、免疫療法)を組み合わせることが必要です。
当院は日本乳癌学会認定施設、乳がん検診精密検査実施医療機関となっており、乳癌学会専門医が乳腺疾患全般の診療を行っています。日進月歩の国内外の診療ガイドラインに基づいた診断、手術、薬物治療、放射線治療、緩和ケアに取り組んでいます。
遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)などの遺伝性腫瘍について
当院は日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構が開始した施設認定事業において、九州で3ヶ所のみの基幹施設に認定されています。
乳がんの5~10%を占める遺伝性乳癌の方やご家族、更には遺伝性腫瘍をご心配される方々に対する遺伝カウンセリングや遺伝学的検査、更に癌の発症を未然に防ぐリスク低減手術(予防的に乳房切除、卵巣摘出)、乳癌未発症者に対するサーベイランスなどへの取り組みも強化し、北九州市や下関市などの乳腺専門施設からのご相談にも応じています。
主な対象疾患
- 早期および進行再発乳癌、遺伝性乳癌などの悪性疾患
- 乳腺症、乳腺線維腺腫、乳腺炎、女性化乳房症などの良性疾患
検査方法と診断の流れ
乳がんの画像診断には、マンモグラフィ、乳房超音波検査、乳房MRI検査、CT検査などが用いられます。
一般的にはマンモグラフィと乳房超音波検査で腫瘤影、石灰化、乳腺構造の歪み、周囲の乳腺組織より暗く見える(低エコー域)などの異常がみられ、乳がんが疑われる場合、針を使って細胞や組織を採取する細胞診、針生検を行います。採取した細胞や組織の病理検査は常勤の病理医が診断します。また、組織検査の前か後に病変の質的評価や広がりをみるため、乳房MRI検査を行う場合があります。がんの確定診断がついた場合は、リンパ節転移や遠隔臓器転移(肺、肝臓、骨など)の有無をみるために、CT検査を行います。
治療法
手術療法
手術療法については、画像検査や組織検査により判明した癌の広がりや性質を考慮して、ご本人と十分な相談のうえで、術式(乳房切除術か乳房温存手術、腋窩リンパ節郭清かセンチネルリンパ節生検)を決定しています。また、乳房再建術をご希望の方は、福岡市の乳房再建専門医へ紹介しています。
放射線療法
放射線療法については、最新のリニアック装置を用いて九州大学病院の放射線治療専門医によって、精緻な放射線療法が可能です。また、遠方の方については、ご希望があれば入院での実施も行っています。
薬物療法
薬物療法は、ホルモン受容体発現、HER2発現、増殖能(Ki-67)など癌の生物学的特性を基にして、日本乳癌学会の乳癌診療ガイドライン、アメリカのNCCNガイドラインなど最新の情報に沿って、ホルモン療法、抗がん剤、分子標的治療薬による治療を行っています。手術でがん細胞が完全に切除できたようにみえても、一部の方では他の臓器にミクロなレベルでがん細胞が残っている場合があることから、術後に各種の薬物療法を行うことがあります。この際、オンコタイプDX検査も受けることができます。また、手術前に薬物療法を行ったあとに切除して、乳房内のがん細胞が残存しているかどうかに基づいて術後の薬物治療を修正するやり方(residual disease-guided approach)も行われています。
乳癌の薬物療法は効果が高い反面、強い副作用が出る場合もみられます。薬物療法が安全に施行できるように、がん化学療法看護認定看護師を外来化学療法室に配置するなど、きめ細やかに対応しています。
施設紹介
マンモグラフィ
2023年3月マンモグラフィ撮影装置をAMULET Innovalityに更新、同時にマンモグラフィ画像診断ワークステーションmammaryを導入しました。4名の女性技師が撮影します。
乳房超音波
乳房に超音波をあて、反射波(エコー)をコンピュータで画像化し、異常の有無を調べます。検査は女性技師、または乳腺専門医が行います。
MRI
高い空間分解能の拡散強調像が撮像可能なMRI装置が導入されています。
手術室
乳がん手術は、癌の広がりや性質、リンパ節転移の有無等を考慮した上で、ご本人と十分に相談し、適切な術式を決定して行います。
放射線治療
2019年2月最新の放射線治療装置であるElekta Infinityに更新して放射線治療を行っています。
外来化学療法室
がん看護専門看護師を配置し、安全で快適な環境での外来薬物療法を行っています。
診療体制
日本乳癌学会乳腺専門医2名を含む外科医師3名で診療しています。
診療方針
- 乳癌診療ガイドラインに基づいた検査・治療を行っています。
- 薬物療法中はがん薬物療法看護認定看護師、がん看護専門看護師など専門スタッフが近くでサポートします。
- 多職種のチーム医療で患者さんの不安の解消に努めます。
検診について
自覚症状のない方や乳がん検診をご希望の方は、北九州市マンモグラフィ検診を受診いただけます。北九州市民で40歳以上の女性であれば、2年に一度、1000円で受診可能です。診療と同じスタッフが撮影および読影診断を行います。お電話にてご予約ください。
認定・指定施設
- 日本乳癌学会 認定施設
- 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構 基幹施設
- 北九州市マンモグラフィ一次検診、精密検査実施機関
- 日本乳がん検診精度管理中央機構 施設画像認定
- 日本専門医機構 乳腺外科専門医制度連携施設(九州大学病院乳腺専門研修カリキュラム)
メッセージ
乳房にしこりを触れるなど自覚症状がある方、乳がん検診で精密検査を勧められた方は、ご自身でWEB予約が可能です。
なお、乳がん検診で精密検査を勧められた方は必要ありませんが、自覚症状がある方で紹介状のない場合は選定療養費7700円が別途発生します。
外来担当医表
乳腺外科診療科ページ
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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堤 宏介 | 轟木 秀一 山田 裕 |
(予約のみ) | 轟木 秀一 | 轟木 秀一 |
診療体制の都合上、新規の紹介患者さんの受け入れに、ご迷惑をおかけする場合があります。
スタッフ紹介
乳腺外科医長
轟木 秀一とどろき ひでかず
- 専門領域
- 乳腺外科
- 専門医等
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- 日本乳癌学会乳腺専門医・指導医
- 検診マンモグラフィ読影認定医 評価A
- 乳がん検診超音波検査実施・判定医師 評価A
- 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構HBOC教育セミナー受講認定
- 日本外科学会認定医・専門医・指導医
- 日本消化器外科学会専門医・指導医
- 日本遺伝性腫瘍学会 遺伝性腫瘍専門医
- 日本がん治療認定医機構認定医
外科医師
堤 宏介つつみ こうすけ
- 専門領域
- 外科一般 / 消化器外科
- 専門医等
-
- 日本外科学会外科専門医・指導医
- 日本胆道学会認定指導医
- 日本乳癌学会専門医
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
- 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
- 日本膵臓学会認定指導医
- がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了者認定
- 日本消化器外科学会専門医・指導医
- 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
- 日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科)
- 北九州市難病指定医
- 臨床研修指導医
外科医師
山田 裕やまだ ゆたか
- 専門領域
- 外科一般 / 消化器外科