国立病院機構 小倉医療センター

血管造影 (アンギオグラフィ)

血管造影検査とは?

血管造影検査(アンギオ検査)とは、カテーテルといわれる細い管を主に鼠けい部の動脈から穿刺し、目的の部位(肝臓・肺・腎臓・骨盤)まで 透視画像を見ながら挿入していきます。挿入したカテーテルから造影剤を注入し、血管の走行や狭窄、腫瘍の染まり方を知るための検査です。
最近ではインターベンショナル・ラジオグラフィ(IVR)と呼ばれる血管内治療も多く行われています。

治療について

①腫瘍に血液を供給する血管に抗癌剤を注入する動注療法
②腫瘍血管や出血の原因となっている血管を塞栓する血管塞栓術
③細くなったり詰まったりした血管に対し血管を広げて正常な血流を回復させる血管形成術


主な治療
◆肝動脈化学塞栓療法(TACE)
    肝細胞がんは豊富な動脈血により栄養を供給されています。
    鼠けい部の動脈から挿入されたカテーテルを肝臓の腫瘍を栄養している
    血管まで進めていきます。
    そこに抗がん剤を注入し、栄養血管を塞栓することで腫瘍に栄養が
    いかなくなり腫瘍を壊死させる方法です。
TACE
造影された腫瘍


◆気管支動脈塞栓術(BAE)
    喀血に対する治療法です。鼠けい部の動脈から挿入されたカテーテルを、
    出血源である気管支動脈まで進め、塞栓物質を用いて止血を行います。
BAE


◆副腎静脈サンプリング
    原発性アルドステロン症に対して行われます。
    鼠けい部の静脈に挿入されたカテーテルを左右の副腎静脈まで進め、
    副腎静脈から血液を採取(サンプリング)する検査です。
副腎静脈サンプリング


◆選択的動脈塞栓術
    消化管出血や分娩後の出血などの止血を目的に行う治療法です。
    鼠けい部の動脈から挿入されたカテーテルを出血している血管まで進め、 塞栓物質を用いて止血を行います。

検査に要する時間

・ 検査時間は1~3時間程度かかります。(検査手技によって異なります)
撮影部位検査時間
肝動脈化学塞栓術(TACE) 約60~90分
気管支動脈塞栓術(BAE) 約60~120分
副腎静脈サンプリング 約90~120分
選択的動脈塞栓術 約90~120分

注 意 事 項

・ 検査中は清潔なシーツで身体を覆っています。また、検査中は動くと危険ですので、動かないでください。
    痛みや気分が悪いときは近くにスタッフがいますので、その旨をおっしゃって下さい。
・ 造影剤を使用して撮影を行います。撮影時に15~20秒程度、息を止めることがあります。

【当院では平成25年12月に装置の更新】

Canon製 INFX-8000C
Infinix Celeve-i

 【特徴】
12×16インチの大視野FPDを搭載し、頭部・腹部・つま先まで全身の血管をカバーし、 多目的に検査可能です。
また低線量(被ばくを減らし)ながらもきれいな画像が表示・撮影できます。
LCI(Low Contrast Imaging)と呼ばれるCTのような画像が撮影できます。




2019年12月1日現在
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